ガンマ線センサとしての機能を果たす同時ドープ光ファイバ

ジョン・ウォレス

リンとゲルマニウムを同時ドープしたステップインデックス型マルチモード光ファイバはガンマ線の線量に対する優れたセンサである。線量率依存性が低いため核施設の監視用としても潜在的に有用である。

さほど知られていないガラスの性質の一つに、ガンマ線センサとしての機能がある。ガンマ線は非常に活性なため、ガラス内に色中心または点状の欠陥を形成する。ガラスの光透過率を監視すれば、そのガラスがどの程度ガンマ線を受けたかを直接決定することができる。ガラスの線量に比例する損傷量とその結果としての透過率の低下は、ガラスのタイプだけでなくガラス中のドーパントにも依存する。
 ガラスは放射線検出器として利用できるため、核廃棄物保管場所や原子炉などの危険な放射線エリアを持つ施設にとってその潜在的価値は大きい。施設内に張り巡らされた光ファイバの形式にすれば、ガラスはその透過率の監視によって、容易に検知可能な遠隔分散型放射線センサとしての機能を果たす。そのための課題は、比較的に低い放射線線量を定量できるまでに感度を高めることだ。
 リン(P)ドープシリカ(SiO2)ファイバは高線量率での医用放射線線量計としての利用に向けて研究されてきたが、最近は、1.0rad/h以下の低い線量率でのより一般的な用途向けにも研究されるようになった(1)、(2)。しかし、ある時間周期内の全線量の測定に使用する時には、これらのファイバは強い線量率依存性を示す。言い換えれば、同一の全放射線量を受け取った 2つのファイバは、その線量を受け取った時間の長さが異なると、異なる結果を出すことになる。特に安全性関連の用途では、線量率へのこの強い依存性は容認されない。

SIMMプロファイル

インドの科学・産業研究協議会のセントラルガラス・セラミック研究所(Central Glass & Ceramic Re search Institute)と、防御研究所(Defence Laboratory)の研究チームは、酸化ゲルマニウム(GeO2)と五酸化リン(P2O5)を同時ドープしたシリカファイバを使って実験を行っている。

(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/11/1111feature04.pdf