4倍以上の性能改善を示す分散補償ファイバ

デンマークのOFSデンマーク社と米OFS研究所の研究チームは、他の最先端ファイバに比べて性能指数が5.0倍高く、有効断面積が4.5倍大きい分散補償光ファイバを開発した(1)。完全電子/デジタル分散補償を実行する以外に方法がなかったコヒーレント通信網の分散補償に対してこのファイバを利用することによって、デジタル信号処理(DSP)チップのエネルギー消費と複雑さを大幅に低減することができた。性能指数と有効断面積の大きな改良によって、コヒーレントシステムで発生する大量の分散の補償に求められる低いレベルへと、ファイバの非線形性と損失を低減することができた。

「少数モード」ファイバ設計

分散補償ファイバ(DCF)の損失性能指数(FOM)は分散係数 DDCFをDCFの減衰係数αDCFで割った値として定義される。今までに報告された最も高いFOMは約450ps/(nm*dB)で あ る。FOMを増大させて最大の有効断面積(ファイバを通して伝送されるモードがカバーする横方向断面積の定量的測定)を実現するために、研究チームは、酸化ゲルマニウム(GeO2)ドープコア、フッ化物ドープ抑圧クラッド、もう一つのGeO2ドープ外周リング、最終的に純シリカ外側被覆から構成された少数モードファイバを使用した(図1)。シングルモードファイバとは異なり、
少数モードファイバは複数モードを伝送するが、真のマルチモードファイバとみなすことはできない。これらのファイバは、高い透過パワーで非線形効果を最小化する大きな有効断面積をもつが、マルチパス干渉(MPI)効果を考慮に入れる必要がある。

図1

図1 コヒーレント通信網における光分散補償用に設計されたG2O2抑圧クラッドをもつ少数モードファイバの屈折率分布を示した(a)。その有効断面積と分散(b)は既存のファイバ設計のそれを越えている。(資料提供:OFSデンマーク社)

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/08/1108wn01.pdf