レーザ基板の超音波洗浄技術の材料依存性

機能的な高出力レーザ光学部品は、すべての製造工程において細心の注意が必要である。たとえ欠陥のない光学基板であっても、薄膜コーティングの前に適確に洗浄されなければ製品としては役に立たない。またこのような場合、通常の光工学の研究室で使用されている洗浄技術は適用できない。
 中国、上海市の同済大学と上海市特殊人工微細構造材料技術重点研究所および天津市の天津金華技術物理研究所からなる研究チームは、コーティング前の石英ガラスとBK7ガラスを洗浄するための方法を開発している。これはより高機能の洗浄界面活性剤と超音波洗浄を組み合わせている(1)。この洗浄工程は各種基板材料に様々な方法で影響する。

2つの工程

石英ガラスとBK7から、ともに直径30mm、厚み5mmの試料基板を作製した。これらの試料を炭化ケイ素の研磨剤で研磨し、続いて酸化セリウムスラリーとピッチパットで磨いた。表面汚染は、4段階からなる下記の超音波洗浄工程によって取り除いた。各段階の詳細をさまざまに変化させて実験を行い、最良のアプローチを決定した。
 第一に、基板を少なくとも1時間アルコールに「漬け込んだ」。次に、水溶性界面活性剤中で超音波洗浄を行った。超音波を発生させる時間、出力および周波数はすべて変数である。第3段階では、基板を超純水中で45℃と65℃の2回に分け、それぞれ5分間洗浄した。最後に、これらの基板を高温で清浄な空気または窒素中で5分間乾燥させた。超音波の周波数は40、80、120、170kHzに設定した。基板から除去された粒子の直径分布は、超音波の周波数と溶液温度の両方の影響を受けた。
 研究チームは2つの洗浄工程に注目し、それぞれ 2タイプの基板に対して実施した。工程1では、超音波洗浄の溶液に、イオンおよび非イオン成分を含有するキレート溶液の入った市販のアルカリ性洗浄液を用いた。工程2では、洗浄溶液に水酸化アンモニウム、過酸化水素、脱イオン水からなる独自の溶液を混合し、粒子除去を助ける親水性表面を作成した。すべての実験はクラス1000のクリーンルームで実施された。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/07/1107wn03.pdf