約2000nmに及ぶ広帯域のレーザ駆動プラズマ光源

米エネルゲティク社は、分光と撮像用途向けに、深紫外(DUV)領域の170nmから可視を通って赤外(IR)領域の2100nmに及ぶ広帯域のスペクトルを出力するレーザ駆動プラズマ光源を開発した。無電極動作のEQ-99レーザ駆動光源(LDLS)は、伝統的なアークランプに比べて最高10倍の輝度と10倍の寿命を持ち、スペクトル帯域幅が広い(図1)。

図1

図1  従来式のキセノンや重水素ランプに比べて、LDLSはDUVの170nmから可視を通って近赤外(NIR)までの領域において十分に高いスペクトル輝度レベルをもつ。(資料提供:エネルゲティク社)

明るく小さなスポット

LDLSは約1μm波長の連続波(CW)レーザダイオードを使用し、これをキセノン充填バルブ内の小さなスポットに集光させる。動作用電極がないため高ガス温度となり、効率(特に紫外域)が上り、従来式ランプの主要な劣化や故障原因が取除かれる。高輝度と約100μm径の小さなプラズマスポットサイズの組合せによって、狭い分光計スリットや非常に小さな光ファイバへの効率の良い光結合または低発散ビームへのコリメーションが達成される。
 キセノンまたは水銀アークランプや重水素ランプなどの従来方式では、輝度、紫外(UV)出力、ランプ寿命がプラズマに電力を結合させるための電極の使用によって制限される。電極はプラズマの温度を制限することによって輝度を部分的に制限し、電極は熱くなるため連続的に腐食を起こし、電極材料を管壁に堆積する。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/06/1106wn02.pdf