ディスプレイの反射率と色域を2倍にする新しい双‐原色系

短期的には、色素を利用した電子ペーパーや電子ペーパーディスプレイ(キンドルなど)が、標準的なノート型パソコン(PC)ディスプレイ(iPadなど)と同様の高品質なフルカラー性能を提供できる見込みはなさそうだ。しかし、米シンシナティ大学準教授のジェイソン・ハイケンフェルト氏は、電子ペーパーディスプレイは、適正な色を実現できさえすれば、優れたエネルギー効率、太陽光下でも完全なコントラスト、そして丸められる柔軟なフォーマットなどの固有の長所を活かして、反射型もしくは透過型ディスプレイに勝つことも可能だ、と主張する。この目標に向けて、ハイケンフェルト氏は、一つの画素内に二つの補色を協調的に表示することによって、単一層電子ペーパーの白色状態の反射率と色域を2倍にする新しい双‐原色系を開発した(1)。この新しい技術はいくつかの異なるタイプの電子ペーパー画素技術に適用できる。

双‐原色

現在の電子ペーパーディスプレイは、一般に伝統的な赤‐緑‐青‐白(RGBW)またはRGBカラーフィルタリングスキームを使用している。あいにく、この方法は色を与える領域が画素面積の25%(RGBWの場合)に過ぎず、理論上の最大白色状態反射率も50%に過ぎない。他のRGBまたはシアン‐マゼンタ‐イエロー(CMY)フィルタスタックなどの伝統的な経路は、たとえ理論的に最良の白色状態反射率と色域を主張したところで、大きな光損失を引き起こし、映像操作を許容しないため、通常使用されることはない。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/05/LFWJ1105wn2.pdf