効率を2倍にする熱光起電力装置の設計

太陽光からエネルギーを抽出する光起電力(PV)セルが大いに注目されているが、これと異なるタイプのPV装置も極めて有望である。半導体熱光起電力(TPV)装置は太陽電池に似ているが、バンドギャップが小さいため、発電所、自動車、ソーラパワー源の廃熱などの熱源からもエネルギーを抽出することができる。TPV装置が、その効率を上げることができれば、めったに利用されない珍重品から世界中のエネルギー抽出効率を増大させる重要なツールへと変身できるはずだ。
 米ボストン大学のジェン・イン氏とロベルト・ペイエラ氏は、量子カスケード(QC)半導体構造におけるサブバンド間遷移を使って、広い赤外(IR)帯域の光子からエネルギーを捕捉する研究を行っている(1)。それぞれ異なるバンドギャップをもつ多重接合を含むこの種の構造は、カスケードステージが同一形式のより簡単ないくつかのIR光検出器ですでに使われている。ボストン大学のこの2人の研究者は、QC TPV構造の最終効率を決定するための性能解析を終え、この構造を利用することで現在のTPV装置の出力電力を2倍にできることを見出した。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/05/LFWJ1105wn3.pdf