50fmの波長変化を分解する小型読出しセンサ

多くの光センサは、温度、歪み、生体粒子の付着、試験中のシステム内化学環境などの変化によって起きる、わずかな波長変化の検出に頼っている。例としては、ファイバブラッググレーティング(FBG)に基づくセンサ、レーザ共振器、ミクロスフェアまたはマイクロリングを使ったセンサ、表面プラズモン共鳴またはフォトニック結晶センサなどがある。光センサは、電磁干渉(EMI)に対して耐性があり、遠隔または分散センシング用途にも使用できるなどの利点をもつ一方、サブナノメートルまたはピコメートルのわずかな波長シフトを分解する能力をもつ大型で高価なインタロゲーションシステム(広帯域光源/グレーティングに基づくスペクトルアナライザまたは光検出器を備えた波長可変光源など)が一般に必要になる。しかし、米パロ・アルト・リサーチ・センタ(PARC)の研究チームによって新しい技術が開発され、位置有感検出器を組込んだ50フェムトメートル(fm)程度のわずかな波長変化を分解することができる小型読出しインタロゲータユニットが作製された(1)。
 研究チームは、米国で昨年開催されたPhotonics West 2010でプレゼンテーションを行って以来、標準トランジスタアウトライン(TO)ヘッダに適合するプロトタイプ読出し波長モニタの開発に取組んできた。

波長シフト検出器

高速で起きる極めて小さな波長変化を監視するために、線形可変光フィルタを位置有感検出器(線形光検出器アレイまたは位置有感光検出器)上に設置した。フィルタの光学的性質がフィルタの特定方向の位置とともに直線的に変化するため、この横方向に変化する透過率が入射光の波長とフィルタを通過した光スポットの位置との相関を定義する。したがって、透過光スポットの位置から入射光の波長を求めることができる。フィルタコーティングの最適化によって、さまざまな波長範囲のアクセスが可能になる。動作中、スプリットダイオード上の直線的に変化するファブリペローフィルタが入射光のスペクトル情報を位置有感検出器上の空間情報へと変換する。
 線形可変フィルタ向けに、研究チームは、横方向に勾配を持つ共振器によって分離された二つの分布ブラッグ反射器から成る最適化1550nmファブリペローフィルタコーティングを開発した。フィルタの勾配2.4nm/mmによって、フィルタ上の位置が変更された時の透過率ピークのスペクトルシフトが指定される。

(もっと読む場合は出典元へ)
出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/03/69648cdce588edfec3e140801fe3d46b.pdf