スローライト導波路に高効率で結合される光

光学材料内の通常の速度よりもかなり遅い群速度で伝搬する光、「スローライト(遅い光)」を比較的容易に実現する一つの方法は、フォトニック結晶導波路(PCW)を使うことにある。これは幸運だ。なぜならば、スローライトは変調器、光信号処理、光スイッチ、センシングなどに有用であり、これらはすべてPCベースデバイスの小さなサイズの恩恵を受けるからだ。
 しかし、光は、スローライトPCWに容易には結合しない。PCWの外部と内部の群速度のミスマッチが結合効率を非常に低くする。この問題を解決するためのさまざまな試みがなされてきたが、いずれもバンド端近傍での低い結合効率、狭帯域性能、大きな物理的サイズなど多くの問題に悩まされている。
 理論とシミュレーションの結果、断熱(緩慢に変化する屈折率)導波路は導波モードスペクトル全体にわたる光を高効率でPCWの内外に結合させることが明らかになった。最近、米テキサス大学ースティン校と米オメガ・オプティクス社の研究チームは理論を実行に移し、導波モードの群速度とは無関係に、高い効率でPCWへの光の結合を実証した(1)。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/02/380f14e4f8449468e895c48263452f73.pdf