理想的な「超高速」の取得

ワイ・チャン、キース・テイラー

超高速度フレーミングカメラは独自の折畳み構造のビームスプリッタと波長選択部品を使用して単ープラグ&プレイシステムヘと発展している。

超高速度フレーミングカメラは伝統的に、高圧放電、亀裂伝搬、爆発、超高速度粒子衝突などの研究に使われてきた。現在、これらの伝統的な科学は生物医学や植物学の研究、ナノテクノロジおよび宇宙科学と結びついている。そこでは撮影速度が最厘要の要件とは限らず、鋸秒50万以下のフレーム速度(fps)が受入れられる場合もある。しかし、動きを「凍結」し、細部の正確な解析を可能にする高画質で高分解能の画像が取得できる能力は最童要とされている。これまでは事象の良好な連続写真を取得できれば十分であったが、今日では正確なタイミング、高分解能および短い露光による画像が必要とされる。画像データはシミュレーションデータと関係付けられ、事象に含まれている物理的過程を深く理解するための数値モデルの調整に使われることも多い。

新しい撮像エンジン

最近まで、ビームスプリッタの設計を川いた超高速度カメラは、非常に大型で、なおかつ画像には口径食、視差、非点収差などのアーチファクトが発生することもあった。英スペシャライズド・イメージング社(Specialised Imaging)は光学設計会社の英レゾルブ・オプティクス社(Resolve Optics)と共同して、通常の光学収差を排除できるビームスプリッタ方式のSIMカメラを開発した。光学収差はマルチチャネルフレーミングカメラの効果を制約してきた。
 光学モデリングソフトウエアツールを使用し、SIMカメラの16のビューポートに入力するすべての波長の経過時間が等しくなるように、小型の折畳み光学系を設計した。ビームスプリッタに入る波長は予測できないため、使用するレンズは入念に設計し、350~900nmの範囲にあるすべての可視波長の焦点面が一致するようにした(図1)。スプリッタ上のそれぞれのビューポイントには1380 x 1040 ピクセル画索の行間転送CCDセンサを結合した18mm高分解能イメージ増倍管を取付けた。
 仏フォトニス社(Photonis)がSIM用に特別に開発した増幅CCD(ICCD)は、600万チャネルをもつ6μmピッチのマイクロチャネルプレート(MCP)で構成され、50lp/mm の空間分解能が得られた。光電陰極を素早くオンオフして、3nsの短い露光を可能にした。これは、結果として、非常に高速のシャッタとして機能する。増倍管の出力部にある蛍光面は蛍光減衰が比較的遅いため、CCDセンサは画像の取得に十分な時間が得られる。
 MCP はプレートのポテンシャルが変化するときに電子が増倍され、利得が可変になるため、光強度が迅速に増加し減少する事象(爆発、プラズマ、放電など)の画像を取得するときは、カメラに内蔵するすべてのICCD部品の感度を整合し、フレーム聞の感度の変化を精密に制御しなければならない。細かい蛍光体を組合せ、低歪で4mm 長の光ファイバスタブを用いて、CCDセンサと注意深く結合すると、501p/mmの空間分解能が得られる。

図1

図1 スペシャライズド・イメージング社は、16チャネルビームスプリッタによる設計(a) と、その小型折畳み光学構造(b)および増倍CCDセンサに基づいて、超高速度イメージングを実現している。(資料捉供:スペシャライズド・イメージング社)

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2010/08/c4b532e8778c0dff3cb2614c8135983c.pdf