ビームプロファイル測定システムの選び方
レーザビームプロファイリングシステムを選択する際、使用しているレーザと何を測定したいかについて知る必要がある。
レーザビームプロファイラは、デイテクタまたはデイテクタアレイと、空間輝度プロファイルもしくはレーザビームのパワー密度分布を取得、表示、記録する解析ソフトウエアによって構成される。われわれはいくつかのビームプロファイラメーカーに、購入者がそれぞれのレーザに最適な製品を選ぶにはどのような知識をもっていれば良いかについて話を聞いた。
レーザビームプロファイラが必要なのはどういった人たちか?米フォトン社(Photon)のマーケティングマネージャであるアラン・キャリー氏(Allen Cary)によると、レーザやレーザシステムの仕様を最適化する必要のある設計者やユーザだという。キャリー氏は「つまり、レーザポインタは例外かもしれないが、レーザを使用して何かをしようと思っている人であれば誰もが当てはまる」と述べている。注意深い監視やレーザビーム幅の測定が必要なアプリケーションの例には、レーザ角膜屈折矯正(LASIK) システム、レーザプリンタ、ライダシステム、レーザ加工、非線形光学などがある。ビームプロファイラは指向精度にも使用され、例えば加工する前にビームの位置を正確に特定する。
アプリケーションが精巧さを求めるのであれば、レーザビームプロファイリングは適切な選択だ。メーカーは一貰した製品を提供し、測定基準を満たすためにビームプロファイラを必要とする。ビームプロファイリングは精度テスト、調整、大量加工におけるポインティングや他のアプリケーションにおいて大幅に効率を上げ、最終的には時間とお金を大きく節約する。
プロファイリングシステムの主流としては、シングルエレメント「スキャニングスリット」システムとカメラベースシステムニつのタイプがある。スキャニングスリットシステムには幅5μmほどのスリットとシングルエレメントデイテクタが搭載される(図1)。カメラベースプロファイラは、デイテクタアレイとしてカメラを使用し、大抵の場合CCDやCMOSカメラが使われる(図2) 。三つ目のプロファイリング技術はスキャニングナイフエッジで、米データレイ社(DataRay)のオペレーションとサポート担当副社長であるアンドリュー・マクレガー氏(Andrew MacGregor)によると、一般的に2μmやそれ以下の大変小さなビーム径においてのみ使用されるという。
必要となるシステムのタイプは何を計測したいかによる。カメラベースのビームプロファイラは大抵の場合、ビームの長さに沿って(z 軸方向に)パワー密度分布の「正確な」xy軸マッピングを可能とし、xy軸プレーンの積分反射強度しか提供できないスキャンタイプのデバイスと比べて大きな強みだと米ソーラボ社(Thorlabs) のドイツにおけるビームプロファイラ・プロダクトエンジニアであるエグベルト・クラウス氏(Egbert Krause)は語っている。スリットベースシステムの利点は減衰を受けることなく、より高出力のレーザを扱うことができることである。ビーム減衰は一般的には減光(ND) フィルタやビームサンプラなどの光学系をビームパスに配置することを必要とするが、注意しなければ逆に悪い影響を与えることもある
使用しているレーザを知ること
ビームプロファイラを検討する際には、まず使用しているレーザについて波長、ビーム幅、パワー密度などを見直すことから始める。フォトン社のキャリー氏は、「レーザが可視域であれば、使えるビームプロファイラのタイプには幅広い選択肢がある」と語っている。極端赤外線(IR)と紫外線(UV)においては、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)カメラをはじめ、焦電技術やマイクロボロメータセンサなどが原因となり、この技術はさらに高価になる(図3)。
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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2009/08/200908_focus.pdf