フォトディテクタは光信号を電気信号に変換することで光を検出する装置であり、受光素子(光電変換素子)としてフォトコンダクタを用いているものとフォトダイオードを用いているものがある。なお、オペアンプが内蔵されており、フォトディテクタからの出力がオペアンプで増幅されて出力されるものをフォトレシーバと呼び、pW(ピコワット)からfW(フェムトワット)の微弱な光信号を取り扱う事ができる。

コネクタ付きの光ファイバーからの光出力を既存のディテクタで計測する場合には、ファイバーコネクタアダプタを使い、光ファイバーをディテクタまたはパワーメータに固定をする。この場合、ディテクタまたはパワーメータはマウントの取り付け構造が付いている必要がある。

フォトコンダクタ

フォトコンダクタは、光導電材料に赤外線が照射されると電気抵抗が低下する。硫化鉛(PbS)とセレン化鉛(PbSe)の2種類のフォトコンダクタは、1.0~4.8 µmの赤外域の光の検知に広く用いられている。 フォトコンダクタは、通常のPINフォトダイオードと比べて、より広い波長範囲で高い検出能を有し、さらに赤外域で優れた線形の応答性(リニアリティ)を示す。連続光で使用する場合信号雑音の影響がある。
Thorlabs社製フォトコンダクティブ型ディテクタ(モデル:FDPS3X3)

Thorlabs社製フォトコンダクティブ型ディテクタ(モデル:FDPS3X3)

フォトダイオード

フォトダイオードに光子が入射すると、電子が励起され光電流が流れる。露出計や照度計、カメラの受光器(CCD、 CMOS)など身の回りの様々な場面で用いられている。光の入力に対して広い波長範囲で感度がある、出力の直線性が良い、応答速度が早いなどの特徴がある。
モード同期レーザー光の場合は、光パルス列をフォトダイオードで検出し、オシロスコープで電気信号を観察すると、光パルス列と同等の信号を確認することができる。
入力は、ファイバータイプまたは空間タイプがある。

受光感度

受光感度は、生成された光電流と入射した光のパワーとの比で求められ、A/Wで表される。

帯域幅

強度変化する光に対して、どれくらいの周波数まで応答できるかを示す。高速のものでは、数GHzまである。

原理

基本的な構造は半導体のPN接合(ダイオード)であり、光を電流に変換して用いる(図1)。

photodiode
図1 フォトダイオードの基本的な構造

物質は光と相互作用することで、光のエネルギー(光子)を吸収して電気のエネルギー(電子)として放出することができる。これを光電効果と呼ぶ。半導体において光電効果が起こると、光起電力効果と呼ばれる、接合部に電位差が生じる現象が生じる。フォトダイオードはこれらの効果を利用して光の検出を行う。

図2にPN接合部において光が検出される様子を示す。入射光のエネルギーが半導体のバンドギャップエネルギーよりも大きいと、半導体結晶中の電子が励起され、価電子帯から伝導帯へと引き上げられる。この時、電子がもともと居た位置に正の電荷(正孔)が生じる。これら電子と正孔は、両層の間の電位差によってそれぞれN層、P層へと移動する。この結果電流が生じ、光の検出が可能となる。空乏層、N層、P層のいずれにおいても電子と正孔の生成は行われる。

photodetect
図2 PN接合部において光が検出される様子

理想的には、光子1つにたいして、1対の電子正孔対が生成されるが、一般的には光子より電子正孔対が少ない。入射光子数に対し、電子正孔対数の比率を量子効率という。
フォトダイオードに使われる材料には、量子効率の波長依存性があるため、波長ごとに材料を選ぶ必要がある。近赤外域では、インジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)が適している。
一般的にはフォトダイオードへ数Vの逆バイアスをかけることで、光信号から電気信号への変換効率を上げている。

pinフォトダイオード

量子効率と応答速度を上げるためには、電子と正孔がない空乏層を広げる必要がある。n型領域とp型領域の間に真性半導体層をつくることで、空乏層が広がる。この構造をもつフォトダイオードをpinフォトダイオードという。

APDフォトダイオード

pinフォトダイオードよりも感度の高いものでは、アバランシェフォトダイオード(APD)がある。電子が他の電子を発生させる「なだれ」(avalance)により大きな電流を得るものである。
pinフォトダイオードと比べて、10〜20 dB程度高感度になる。逆バイアスは数十V以上になる。

 

以下によく使われている高速フォトディテクタの製品比較を示す。

バンド幅 波長 組成 自由空間型 ファイバー型 メーカー
2 GHz 400~1100 nm Si DET025AL/M DET025AFC/M THORLABS
5 GHz 850~1700 nm InGaAs DET08CL/M DET08CFC/M THORLABS
12.5 GHz 500~850 nm GaAs ET-4000 ET-4000F EOT
15 GHz 900~1600 nm InGaAs ET-3500 ET-3500F EOT
12.5 GHz 900~2100 nm InGaAs ET-5000 ET-5000F EOT

 

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参考文献

イラスト・図解 光ファイバー通信のしくみがわかる本, 山下 真司, 株式会社技術評論社, pp.174-178, 2002.
福田京平 著 「光学機器が一番わかる」技術評論社 (2010)