光ファイバーは伝送距離が長くなると、信号の減衰や、波長分散、非線形効果による信号の歪みが生じるため、伝送の途中で信号を増幅する必要がある。この増幅に光ファイバー増幅器が用いられる。

光ファイバー増幅器では、シングルモード光ファイバーのコア部に光増幅のためのイオンを添加した増幅用ファイバーを光増幅媒体として用いている。基本的な原理はレーザーにおける光増幅と同じである。励起用のレーザー光を増幅ファイバーに伝搬させて反転分布状態を作る。そこに信号光を伝搬させると、誘導放出によって信号光が増幅される。

光通信では、ファイバー伝送損失が最低となる1.5 mm帯の光を信号に用いており、この帯域にエネルギー準位間遷移を持つエルビウムイオン添加ファイバー増幅器(EDFA、図1)が用いられる。多数の異なる波長の信号を、1本の増幅ファイバーで増幅することができるため、波長分割多重に適している。

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図1エルビウムイオン添加ファイバー増幅器

 より広い帯域の光増幅を行うことができれば、通信容量の拡大が期待される。この実現のために、様々な帯域の光増幅器の研究が進められている。光ファイバーに添加する希土類イオンによってカバーされる帯域を表1にまとめる。

表1 添加希土類イオンによる増幅器が用いられる帯域の違い

波長 1260-1360 nm 1360-1460 nm 1460-1530 nm 1530-1565 nm 1565-1625 nm 1625-1675 nm
帯域名称 O E S C L U
希土類イオン Pr3+ Tm3+ Er3+ Tm3+

 

参考文献

作花 済夫 「とことんやさしいガラスの本」日刊工業新聞(2004)