表1に0.8µm帯のUHR-OCT(Ultra High Resolution – Optical Coherence Tomography)用の広帯域光源として報告された、ハロゲンランプ、チタンサファイアレーザー、スーパーコンティニューム(SC:supercontinuum)光の特徴をまとめた。
広帯域光源 | スペクトル幅 | 光強度 |
---|---|---|
ハロゲンランプ | ~460nm | 低 |
チタンサファイアレーザー | ~260nm | 高 |
スーパーコンティニューム光 | ~325nm | 高 |
- ハロゲンランプをOCTの光源として光軸方向分解能1.1,0.8µmが得られ、豚皮のUHR-OCTイメージングがなされている[1,2]。ハロゲンランプはスペクトル幅は広いが空間コヒーレンスが悪く集光が必要である。さらに光源そのものの光強度が弱いため高感度なOCTを構築できない。
- チタンサファイアレーザーはUHR-OCTの光源用いられる報告は多く、人眼の網膜と角膜の超高分解能イメージも報告されている[3,4]。スペクトル幅が100nmを超えるチタンサファイアレーザーはパルスの時間幅が10fsを切る。このようなチタンサファイアレーザーは光学系が精密に設計されており、自身の結晶が持つ熱等の外乱に非常に弱く取り扱いが困難である。
またスペクトル波形は結晶に依存するため比較的ガウス型に近いスペクトル波形を得るためにフィルタが必要であり、雑音が増加してしまう。 - フェムト秒レーザー光でPCFを励起し中心波長0.7µm帯でスペクトル幅325nm、光軸方向分解能0.75µmのサブミクロンUHR-OCTが実現されている[5]。SC光は超短パルスを光源とするが,パルス幅は100fs程度でも生成することができる。将来ファイバーレーザーベース化することで超高分解能OCTの実用化を実現することが期待されている。
OCT用光源としてのスーパーコンティニューム光
SC光は超短パルスをファイバーに入射することで生成できるが、使用するファイバーによってSC光の特徴は異なる。表2に各種ファイバーとそのファイバーを用いて生成されるSC光の特徴を示す。比較するのはフォトニッククリスタルファイバー(PCF : Photonic Crystal Fiber)、高NAファイバー、シングルモードファイバー(SMF:Signle Mode Fiber)で生成するSC光である。
ファイバー | スペクトル幅 | スペクトル波形 (ガウスor sech2) |
雑音 | スペクトルの 安定度 |
---|---|---|---|---|
PCF | 非常に広い | × | 高 | △ |
高NAファイバー | 広い | △ | 低 | × |
SMF | 広い | ○ | 低 | ○ |
無料ユーザー登録
続きを読むにはユーザー登録が必要です。登録することで3000以上ある記事全てを無料でご覧頂けます。
SNS(Facebook, Google+)アカウントが持っているお客様は、右のサイドバーですぐにログインできます。 あるいは、既に登録されている方はユーザー名とパスワードを入力してログインしてください。
*メールアドレスの間違いが増えています。正しいメールアドレスでないとご登録が完了しないのでお気を付けください。