蛍光物質に光を照射すると、発生した蛍光は直ちには減衰せず、その蛍光物質特有の減衰時間 (蛍光寿命) をもって減衰する。
この蛍光寿命を観測し、試料をマッピングする手法がFLIM ( Fluorescence Lifetime Imaging Microscopy : FLIM ) である。

蛍光寿命を観測する方法は2つあり、1つは光パルスを励起光として用いる時間領域測定法、他方は励起光を正弦波状に強度変調する周波数領域測定法と呼ばれている。それぞれの概念図を図1に示す。

FLIMの概念図

図1:FLIMの概念図

時間領域測定法

時間領域測定法は光パルスを試料に入射した後、その蛍光の減衰の様子を高速な検出系で観測する。蛍光寿命τは、蛍光強度がピーク値の1/eとなった時刻である。観測には、時間相関単一光子計数法 (Time-Correlated Single Photon Counting : TCSPC) やストリークカメラが用いられる。時間相関単一光子計数法については参考文献1、2に詳しく記載されています。

周波数領域測定法

周波数領域測定法では、正弦波状に強度変調した光を試料に照射し励起する。このとき、発生する蛍光も励起光と同じ周波数で変調されているが位相遅れが生じる。この位相遅れと変調周波数から次式を用いて蛍光寿命が算出される。

蛍光寿命

ここで、Φは励起光と蛍光の位相差 (位相遅れ)、fは励起光の変調周波数である。周波数領域測定法の特徴は、比較的低い変調周波数でも高精度に蛍光寿命を観測可能であるという点であり、高速な検出系を必要としない。FLIMでは、時間領域測定法や周波数領域測定法で得られた蛍光寿命を用いてマッピングする。