レーザー加工機の普及初期の頃には、「レーザー加工ができる」というだけでビジネスになりましたが、レーザー加工を請け負うジョブショップが500社程度あると言われている現在ではそうもいきません。競争力のあるジョブショップは日々技術を磨き、ノウハウを積み重ねています。ここでは、受託加工を主業務としてレーザー加工機の導入を考えている事業主様に成功のためにヒントを示せればと思います。

価格競争から抜け出すために

レーザー加工技術の向上

レーザー加工が一般化して来た今、価格競争に巻き込まれないためには、他者でマネできない技術(加工精度、特殊材料への対応、複雑な形状の加工など)を持たなければいけない。これを可能にするのは、自社でレーザー発振器や光学系などを改良する知識・経験の積み重ねと、常に新しい技術を開発し続ける不断のチャレンジ精神である。

特殊加工に対応する

レーザー加工は、機械加工では対応が困難なセラミックス、複合材料、表面処理材料などの新素材や、複雑な形状や精密加工にも対応できる。また、最近の産業ではレーザー加工でしかできない微細加工や表面処理加工の需要が拡大している。受託加工で競争力を維持するためには、これらの特殊加工に関するノウハウを蓄積し、その会社独自の強みをつくらなければいけない。

購入のための検討項目

レーザー加工は他の加工方法と比べてフレキシビリティが高いが、レーザー加工機を購入するときには、加工の目的をはっきりさせなければいけない。加工目的にあった仕様(発振器の種類、モード、発振形態、繰返し周波数、出力、各種制御機能など)を満たすレーザー加工機を探し、さらにメーカーの保守・アフターサービスについても考慮するべきである。また、レーザー加工技術を磨くため、拡張性、メンテナンス性も検討したほうがよい。そしてレーザー加工機導入の前には、メーカーにサンプル加工を依頼することをお勧めする。

オペレーターの育成と安全教育

レーザー加工機オペレータの育成

レーザー発振器や光学系の改良、設計・制作には優れたレーザー加工オペレーターが必要である。レーザー加工機を導入する際には、必ず未来のオペレーターと共に機種選定、サンプル加工の検討をすることで、オペレータの育成に力を入れるべきである。また、加工だけでなく、レーザー全般の知識をつけるこで、新しい発想や問題解決の糸口をつかめるようになると期待される。

安全教育

加工用レーザーは危険であることを認識しなければならない。社員全員の安全教育を徹底し、安全確認と「ヒヤリハット」の報告を義務づけよう。

参照

レーザー加工機
高精度ファイバーレーザー切断機