ガラスのような透明な媒質は、レーザーの透過率が非常に大きいが、レーザービームを集光させて高エネルギー密度にすることで、ガラス内部に局部的な屈折率変化を起こせる。具体的には、パルス幅が〜100fs程度のフェムト秒の超短パルスレーザーを用いることで、ガラスに多光子吸収が起こり、屈折率が変化する。このとき、ガラスには熱の影響が起こらない。この方法により、ガラス内部への3次元加工が可能になり、3次元光学素子の製造や、ガラス内部に3次元の導波路を形成することが可能になる。

ガラス内部を3次元で加工するためには、ガラス内部に集光するレーザーを3次元で走査する必要がある。この方法として、ガラス材料を乗せたステージを3次元的に移動させて加工する方法(逐次加工法)と、ホログラムを利用してガラス内部に一括でレーザーを照射する方法がある(詳しくは、日本板硝子テクのリサーチ株式会社, 第34回「ガラス・ホログラムで三次元デバイスをガラス内部に瞬時に作製」を参照)。

参考動画

※合わせて読みたい参考文献:平尾一之,フェムト秒レーザーと新規開発空間変調器を用いた三次元ナノ構造形成,GS Yuasa Technical Report,(2009)

ガラス内部のレーザー加工の様子 – 逐次加工法

参照

レーザー加工機
高精度ファイバーレーザー切断機