加工物にレーザーを集光することで切断を行うが、集光に関わるスポット径と焦点深度について述べる。厳密にはレーザーのビーム品質やレンズの収差などが関わってくるが、このページでは省く。
焦点距離
レーザーの波長と集光するレンズの焦点距離により、スポット径と焦点深度が決まる。
スポット径
レーザー光を集光すると、焦点ではある大きさをもつ集光点ができる。その大きさをスポット径という。スポット径は焦点距離に比例する。すなわち、焦点距離が短い場合にスポット径は小さく、焦点距離が長い場合にスポット径は大きくなる。
焦点深度
レーザー伝播方向について、焦点前後でビーム径がスポット径の√2倍にまで広がる距離を焦点深度という。その面では、エネルギー密度は半分になる。
焦点距離と焦点深度には、焦点距離が長いほど、焦点深度が長いという関係がある。レーザー切断において、加工物の材質や厚さによって焦点深度を変える必要がある。焦点深度の長短による最適な用途を表1に簡単にまとめた。
焦点深度 | 用途 |
---|---|
短い | 薄板切断、微細加工 |
長い | 厚板切断、無酸素切断 |
Reference and Links
- 絵ときレーザー加工の実務、金岡優、日刊工業新聞社
- レーザーマーカーのデータベース
- レーザー加工機
- 高精度ファイバーレーザー切断機