CPAによる超高強度レーザーと高速点火方式
高速点火方式は、高密度に圧縮された燃料を瞬時に加熱する方法で、1985年にチャープパルス増幅(CPA)技術の実現で、現実的な研究となった。
外部から超高強度超短パルスレーザーを照射して高速電子などを発生、そのエネルギーで圧縮コアプラズマを追加熱する。加熱用レーザーとしては1.05 μmが主に考えられているが、コアプラズマ周辺にある高い密度のプラズマを通り、コアに近い位置までエネルギーを伝搬させる必要がある。この手法として、下記の手法が提案された。
- レーザー・プラズマ相互作用の非線形性を利用して自己収束モード的伝搬を行わせる方式
- シェルターゲットに金属製のコーンを設ける手法
大阪大学では爆縮用の激光XII号レーザーに100 TW(50 J、0.5 ps、1997年)、1 PW(1 kJ、1 ps、2001年)のビームラインが完成し、日英の協力研究によりコーン付きシェルターゲットをプラズマを約1 keV まで追加熱することに成功した。この実験では、加熱用レーザーから爆縮コア加熱へのエネルギー効率は約20〜30%にも達していることが明らかになった。
FIREX-I計画とLFEXレーザー
コーン付きターゲットを高密度爆縮で5〜10 keVまで加熱できれば、点火・燃焼を既存技術で確実に達成できると考えられる。この加熱原理実証のため、大阪大学では核融合科学研究所と連携し、2003年よりFIREX-I計画とLFEX(10 kJ、1〜10 ps)を建設を開始、2009年より、爆縮加熱統合実験を開始した。
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