近くの小さなものを拡大するために用いられるレンズがルーペである。凸レンズを用いて虚像を見る。できるだけルーペに目を近付けて用いるが、近づけ過ぎるとピントがあわなくなる。ピントの合うもっとも近づけた距離を明視距離といい、一般的に250 mmである。
拡大倍率は、ルーペあり、なしの視野角から決められている(図1)。ルーペなしの状態で目から250 mmのところに物をおいた時の視野角(tanα)と、ルーペを置いたときの視野角(tanβ)の比が倍率となる。この倍率は、物体とレンズ、目の距離によって変化するので、必ずしも拡大倍率通りの像が得られるわけではないことに注意が必要である。
図1 ルーペの倍率。
ルーペの拡大倍率は、ルーペの設置位置によって異なる。一つは明視の位置にルーペの虚像を置く方法。もう一つは物体を焦点位置に配置する方法である。メーカーによって採用基準が異なっている場合があるので、ルーペの焦点距離をベースに比較をするのがよい。
1.5倍から30倍近い高倍率のものまで、様々なルーペがある。周辺部の像面歪曲を抑制するために非球面レンズを用いたもの、スケールが刻まれているスケールルーペ、薄くて視野の大きなフレネルルーペなどがある。
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