ファイバ出力を平面導波路に結合するGRINマイクロレンズ
光ファイバと平面導波路の開発は数十年前に遡るが、数マイクロメートル(μm)サイズの光ファイバビームを数百ナノメートル(nm)サイズの平面導波路に結合する方法は厄介な課題のまま残されている。一般に、フォトレジスト内に作製された回折格子結合器が使われているが、それらは少量生産のために高価であり、複雑なフォトリソグラフィ法が必要になる。外部集光レンズやエラストマ製の取外し可能な格子も試みられているが、結合効率が極めて低い。
最近、独ゲッティンゲンレーザ研究所(LLG)の研究チームによって、屈折率分布型(GRIN)レンズとその出口面の格子構造を組合せる、一つの有望なソリューションが開発された(1)。このコリメートマイクロレンズデバイスは取外して再利用可能なため、回折格子結合器と導波路の厚さに対する要求に関連するコストは解消される。例えば、1回限りのバイオセンシング用途に利用されているディスポーザブルタイプの導波路と結合させた多重回使用の結合器としても非常に魅力的である。
結合効率
GRIN結合器が従来の微小光学結合器またはテーパ付ファイバ結合器に比して優れているのは、結合効率が平面導波路表面に作製された回折格子結合器のそれに匹敵するという事実による。この効率はGRINレンズの研磨面上の構造化された高周波数格子によって実現された。このレンズの構造化表面は、その後、導波路の極近く、もしくは接触させて設置される(図1)。
この結合方式は、シングルモード光ファイバからの光を拡大、平行化する0.25ピッチのGRINレンズからスタートする。ファイバ出力の共振結合は、回折されたビームの波数ベクトルと導波モードの波数ベクトルが一致する場合に起きる。導波路結合用の1次ビームを使用し、そのビーム角の精密な調節はGRINレンズの焦点面内でファイバ端面を横方向に移動させることによって達成される。
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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2011/01/dab1926d583d6e8998d7c12f2d9a0e84.pdf