FBG加速度計の感度向上に役立つテフロンパッチ

ファイバブラッググレーティング(FBG)加速度計は橋梁を初めとする建築構造物の歪みや、岩盤の地殻変動を測定することが可能な、小形で、頑強で、電磁干渉(EMI)がないデバイスだが、単
純な改良によってその感度が3倍に高められた。改良の詳細として有限要素解析を使ったモデリングと実験による裏付けが、2012年の11月2日から3日にインドのバンガロールで行われたCOMSOL
カンファレンス・インディアにおいてカルカッタの科学産業研究評議会(CSIR)中央ガラス・セラミック研究所の研究チームから提案された。
 標準的な加速度計は一端の近くにFBGが取り付けられ、他端にマスを搭載したフレキシブルなカンチレバーから成る。デバイスに運動が加えられると、カンチレバーはビームのたわみ方向の加
速度に比例して曲がる。結果として生じた歪みが加速度に比例する波長シフトとしてFBGによって測定される。
 一般に変位が非常に小さく、周波数も低い地殻変動(発生した変位に対する加速度は周波数に比例)を測定するには高い感度が必要になる。このFBGセンサをカンチレバーの中立軸から遠ざければ、より高感度になる。

単純なパッチは複雑である

CSIRの研究チームは、FBGとカンチレバーとの間に材料パッチを置くことによって、FBGを中立軸から遠ざかる方向に移動させた。しかし、この方法で感度を高めることができる範囲は限られている。第一に、パッチそのものが完全な剛体ではなく、また厚すぎる場合はFBGへの歪み伝達効率が低下する。第二に、パッチによるビームのたわみ量低減は避けられず、その低減幅はパッチ形状に依存する。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2013/03/201303_0017wn02.pdf