集積SWIR分光を狙ったGaSb/SOI PIC
広帯域光源、検出器、分散型の素子などを利用した分光計はとてもかさばるため、携帯式ガス検知器や埋込式血糖モニタのようなフットプリントが小さく、低パワーのアプリケーションには適さない。しかし、CMOS技術を使ってシリコン・オン・インシュレーター(SOI)ベースフォトニック集積回路(PIC)プラットフォーム上にアンチモン化ガリウム(GaSb)レーザと光検出器を集積する最近の進歩によって、ベルギー・ゲント大学(UGent)と仏モンペリエ第2大学(UM2)の研究チームは短波長赤外線(SWIR)領域で動作するチップベースの分光計の開発に一歩近づいた(1)。
SWIR動作
の注目すべき点は、その上に2〜3μmの波長域で動作するレーザを集積できることだ。この波長域は一酸化炭素や二酸化炭素を初めとする多数のガスと分子の分子「指紋」領域であり、吸水による信号干渉も少ない。SOI PICはIRに対して透明だが、間接バンドギャップなので、レーザと検出器の構築には利用できない。しかし、SOI上GaSb光検出器はすでに実証されている。そして、UGentとUM2の研究チームはGaSbベースファブリペローレーザのキャリア基板上への組み立てに初めて成功し、完全なSOI集積に一歩近づいた。ピーク波長2.05μmに設計された、1台のエピタキシャルレーザスタックは、3つの30nm厚みのアルミニウム‐GaAsSb(AlGaAsSb)ベース障壁層によって分離された4つの10nm厚みアンチモ化ヒ化ガリウムインジウム(InGaAsSb)ベース量子井戸活性領域とボンディングプロセス用ストップ層としてのInAsSbとから組み立てられた。1μm 厚みのAlGaAsSbベース層が活性領域の両側を囲み、300nm厚みのベリリウム(Be)ドープGaSbp型コンタクトとテルル(Te)ドープGaSbn型コンタクトがエピタキシャル層を完成させた。
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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2014/02/201307_0016wn03.pdf