ダイヤモンドで電気励起ZnOレーザにホールを供給

ランダムレーザは利得媒質(多結晶材料、粗面材料など)を含んでおり、そこでは散乱光がランダム経路をとる。これによってたくさんの小さなレーザキャビティ(ループ形状となり得る)が形成され、結果的にレーザ光が拡散する。ランダムレーザには、センシングや生体医学イメージング用途がある。最もよく知られたランダムレーザは、利得媒体として酸化亜鉛(ZnO)を用いており、近紫外光を発する。
 しかし、一般的なランダムレーザは光励起であるので、実験装置全体が非常に大きく複雑になる。ZnOは、本来はn- 型(電子を供給)半導体であるが、ある程度実際に使える電気励起ZnOランダムレーザが、p- 型(ホール)ドープZnOによって実現された。しかし結果はあまり効率的ではない。
 今回、中国人研究グループが優れたホール源、p-型ダイヤモンドをマグネシウム(Mg)ドープシェルでZnOコアシェルナノワイヤと結合させて、電子(ZnO)とホール(ダイヤモンド)の両方を十分に供給する電気励起ランダムレーザを開発した。電子とホールが結合すると、レーザ光が発生する。中国人研究グループは、中国科学アカデミー(長春と北京)、鄭州大(鄭州)、吉林大(長春)、復旦大(上海)、長春理工大(長春)、内蒙古民族大(通遼市)の研究者たちからなる。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2015/11/LFWJ1511_p15.pdf