一酸化炭素レーザが示す外科手術の将来性

一酸化炭素(CO)レーザと二酸化炭素(CO2)レーザは、ある程度似た中赤外光源であるが、歴史はまったく違う。CO2レーザは、過去50年以上にわたり、多くの産業用および医療用アプリケーションを可能にすることに成功した。しかし最近まで、COレーザはおおむね実験室のアプリケーションに限られていた。信頼性と寿命に限界があり、極低温冷却を必要としているからである。とはいえ、2015年、米コヒレント社(Coherent)のエンジニアが、COレーザの信頼性の問題を解決し、室温動作で数千時間の寿命を持つ、封止型COレーザを開発した。
 COレーザは、5.5μm付近で連続的な波長を出す、これはCO2レーザの主波長(10.6μm)の約半分である。ガラス、水、哺乳類の組織を含め、多くの材料がこれらの短い波長で、極めて多様な吸収特性を持っている。独アート・フォトニクス社(Art Photonics)のアプリケーション・サイエンティストは先ごろ、吸収の違いがレーザと組織の相互作用にどのように現れるかを調べた。これには新しいコヒレント社のレーザの1つが使用された。これは、これらのCOレーザを外科手術および関連の医療アプリケーションの差別化ツールとしての潜在性を探る第一歩である。

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出典元
https://ex-press.jp/wp-content/uploads/2017/11/P10_wn1.pdf