赤外線は人間の目には見えない光だ。目には見えないがリモコンやヒーター、センサ、通信技術にも利用されており、私たちの生活の様々な場所で広く用いられている電磁波である。この目には見えない電磁波は若い頃には音楽を志し、後に天文学者となった人物によって発見された。
ウィリアム・ハーシェルはドイツ出身で音楽一家に生まれた。楽団と共にイギリスへ移住した後は、音楽家との成功を収めると同時に数学や天文学に興味を持ち始めたという。自ら望遠鏡を製作して様々な星や月などを観察していたハーシェルは1781年に太陽系の惑星である天王星を発見する。この大発見が彼の名を広め、天文学を本格的に追求するきっかけとなった。
そんなハーシェルが赤外線を発見したのは1800年頃のことだった。彼は太陽光をプリズムに透過させ、分光された赤色光と紫光の温度上昇を比較するために三つの温度計を準備した。一つ目は赤色光にあて、二つ目は紫光にあてた。三つ目は気温を計るために赤色光より少し外側においておいた。
時間が経って確認してみるとどうだろう。気温を計っているはずの三つ目の温度計の方が赤色光、紫光の温度計より高い温度を示していたのだ。[1]
この不思議な現象を科学的に吟味し、考察する事でハーシェルは赤外線を発見した。偶然の出来事も見逃さずに追求していく姿勢が大発見に繋がったといえよう。
参考
Wikipedia
[1] Vilmos Thernesz based on the original figure in Herschel, W., 1800: ”Experiments on the refrangibility of the invisible rays of the Sun” Phil. Trans. Roy. Soc. London 90, 284–292
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