フッ化物ガラスとは、酸素をフッ素で置き換えた非石英系のガラスをいう。通常のガラスは、シリカ(SiO2)を主成分としているが、フッ化物ガラスは、ジルコニウム(Zr)、バリウム(Ba)、ランタン(La)、アルミニウム(Al)やイットリウム(Y)とフッ素(F)から構成される(表1)。シリカガラスに比べて耐久性に劣るが、より長波長の赤外線の透過率が高い。
現在は、赤外光の短距離伝送用ファイバーやファイバー増幅器といった分野で研究が進められている。フッ化物は、ガラス中での化学結合が弱いためにレーザー作用の効率が高く、レーザー利得の波長変化が小さい。このため、波長分割多重通信(WDM)用の希土類イオン含有フッ化物ファイバーレーザーに応用されている。この他、歯科治療用のレーザー光を伝えるファイバーとして使われている。
表1 フッ化物ガラスの諸特性
ガラス組成(モル%) | ガラス転移点(ºC) | 密度(g/cm3) | 屈折率 |
---|---|---|---|
ZrF4(64), BaF2(36) | 300 | 4.66 | 1.522 |
ZrF4(50), BaF2(25), NaF(25) | 240 | 4.50 | 1.50 |
ZrF4(62), BaF2(33), NaF3(5) | 306 | 4.79 | 1.523 |
ZrF4(45), BaF2(36), YF3(11), AF3(8) | 324 | 4.54 | 1.507 |
ZrF4(57), BaF2(36), LaF3(3), AF3(4) | 310 | 4.61 | 1.516 |
ZrF4(53), BaF2(20), LaF3(4), AF3(3), NaF(20) | 256 | 4.34 | 1.497 |
YF3(16), AF3(42), BaF2(12), CaF2(20), SrF(10) | 432 | 3.90 | 1.436 |
InF3(40), BaF2(25), ZuF2(20), CdF2(8), NaF(10) | 284 | 5.09 | 1.495 |
参考文献
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