高平均出力レーザーを考える場合、励起光により蓄積されるレーザー媒質中の熱効果が問題となる。ファイバーレーザーの場合は、ロッド型、スラブ型、ディスク(thin-disk)型固体レーザーと比較して、表面積/体積比が大きいため排熱処理が簡単である。一方、光ファイバー中の熱効果の影響として、光ファイバーの温度上昇による溶融や光学破壊及びスペクトルの変化などが起こりうる。不適切な排熱処理により熱勾配ができると、熱レンズ効果や熱複屈折効果によるビーム歪みや熱破壊が生じる。また、ファラデーアイソレーター等の外部にある光学素子における熱効果もレーザーシステムの動作に影響を与える。

レーザー媒質中に蓄積する熱の主な原因は、量子欠損による熱の発生であり次式で表される。

ここで、vpとvLはそれぞれ励起光と信号光の周波数である。別の熱要因として、励起状態吸収(Excited-State Absorption:ESA)が考えられるが、Yb3+イオンの場合は2準位で形成されているためESAは問題とならない。
励起光の一部分が、ドーパントにより吸収され、熱に変換される割合は次式で表される。

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