熱レンズ効果とはレーザーを照射することにより媒質が局所的に温度上昇することで、下式のような屈折率分布n(r)が生じる現象である(ここで下つき文字のthは閾値(threshold)ではなく熱(thermal)の頭文字である)。

ここでKcは物質の熱伝導率、Phは熱体積密度である。熱レンズ効果の影響として、屈折率nの温度変化dn/dTが正の値をとり凸レンズ状になるものと、dn/dTが負の値をとり凹レンズ状になるものがある。リン酸ガラスの場合、dn/dTは負の値を示して平行ビームを発散する効果がある一方、シリカガラスの場合のdn/dTは正の値を示して平行ビームを集光する効果を持ち、ビーム品質の劣化の原因となる。
バルク型固体レーザーの場合、連続使用による熱蓄積が熱レンズ効果を引き起こし、レーザー光路に悪影響を与える場合がある。特にガラスは熱伝導率が低いため、ガラスをレーザー媒質として使用した場合には熱レンズ効果の影響を受けやすくなる。光ファイバーの場合は排熱性に優れているためあまり熱レンズ効果を気にする必要はないが、やはり光ファイバーにも熱レンズ効果は発生するため、ここで光ファイバーの熱レンズ効果について取り扱う。
SI型ファイバーにおける基本モードのモード半径(基本モード半径)w0は、光ファイバーのコア径raとVパラメータを用いて次式で与えられる[1]。

 …(1)

一方、モード半径と熱レンズ効果の関係は次式で示される。

 …(2)

熱レンズ効果の影響がでるのは、wth≤w0のときからである。よって、式(1)と式(2)より、この時の熱体積密度Phは次式で示される。

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