ファイバーの光軸に沿った伝搬式、Pp(z) を解析的に解くためにこちらで示した式と次式を利用する。

5.1.10
式1

ここで、ηq は励起量子効率で Yb3+ の場合は ηq ~1 とする。2つの式から次式が得られる。

式2

ここで Pp(0) は入射端での励起光パワー、Ppsat は励起飽和パワーであり次式で示される。

式3

Pp(z) は式2 から計算される。また一般的に式2 は光ファイバー長による吸収励起パワーを計算するために数値的に解かなければならない。ここで Pp(0) ≪ Ppsat のとき、式2 は次式のように簡単になる。

式4

また光ファイバー長に対するシングルパスの利得 G は次式で示される。

式5

ここで、

式6

である。
αL はレーザー信号光における減衰係数であり、式1 を用いると小信号利得は単純に表せる。式1 より Yb ファイバーによって吸収される励起パワー Ppabs は次式で表される。

式7

以上より、小信号利得 G は次式で示される。

式8

第 2 項は再吸収の損失を示し、第 3 項はコアの伝搬損失を示す。式8 を dBで表記するとファイバー利得は次式で与えられる。

式9

クラッド励起 Yb ファイバー増幅器

クラッド励起の Yb ファイバー増幅器における励起パワーに対する利得特性を考える。コア径 10μm 、h = 6.63 × 10−34 Js、τf = 1 ms、ηq= 1、λp= 975 nm、λL= 1064 nm、σeL) ≈ 2.82 × 10−25m2、長波長側では 4 準位と仮定することで f1 = 0、f2 = 1、σeL) ≈ 0、またコアの伝搬損失 αL ≈ 0 としたときの吸収励起パワーに対する利得特性を図1 に示す。実際には、小信号利得は光ファイバー中での寄生発振や ASE により 30~40 dB に制限される。

chapter5-04

図1:クラッド励起 Yb ファイバー増幅器の励起パワーに対する利得特性

コア直接励起 Yb ファイバー増幅器

コア励起 Yb ファイバー増幅器における信号波長に対する利得特性を考える。コア径 6 μm、τf = 1 ms、ηq = 1、λp = 975 nm、N = 9.5 × 1025m-3、l = 1 m、αL ≈ 0 としたときの信号波長に対する利得特性 G′(λL) を式9 より求め図2 に示す。励起吸収パワー Ppabs は 0~70 mW まで変化させた。励起パワーを更に上げたときの出射光のピーク波長は実際には利得が 30~40 dB に制限されるため、σe の低い長波長側にシフトする。

chapter5-05

図2:コア励起 Yb ファイバー増幅器の波長に対する利得特性