光アイソレータの原理

光アイソレータは、磁界によって光の偏光状態が回転する磁気光学効果(ファラデー効果)が用いられている。ファラデー回転素子は直線偏光の偏光面を回転させる働きを持っており、通信用(1250 nm以上)では、ビスマス・鉄・ガーネット(BIG)、イットリウム・鉄・ガーネット(YIG)が使われ、非常に小型である。可視域からYAGレーザーの波長(1064 nm)まではテルビウム・ガリウム・ガーネット(TGC)が用いられている。TGCはファラデー回転角を決定するヴェルデ定数が小さいため、TGCをフェラデー回転子に用いた光アイソレータにはBIGに比べて数倍の磁石が必要であるため高価である。光アイソレータは原理によって、偏光依存型と偏光無依存型に分けられる。

偏光依存型光アイソレータ(Polarization Dependent Isolator)

フェラデー回転子に図1のように磁界をかけると、順方向と逆方向で偏光面が逆方向に回転する(非相反性)。順方向では、入力光は偏光子Aにより直線偏光とされ、フェラデー回転子により+45°回転し、45°傾けた偏光子Bを透過できる。逆方向では-45°偏光面が回転するため、偏光子Aと直交してしまい大きな損失を受ける。
すなわち入射光は、偏光子Aが既定する偏波方向の直線偏光しか透過できないことになり、偏光方向に依存することから偏光依存型光アイソレータ(Polarization Dependent Isolator)と呼ばれる。フェラデー回転子による回転角θは次式で与えられる。

θ = F・L・H
ここで、Fはヴェルデ定数(Verdet constant)[分/(エルステッド・m)], Hは軸方向の磁場強度[エルステッド], Lはフェデラー回転子の長さ[m]である。

 

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