一般にシングルモード光ファイバーは円形の断面を持っているため、どのような偏光状態の光でも伝送できるが、これは光ファイバーの利点であると同時に欠点でもある。光ファイバーを少しでも動かすと、内部の光の偏光状態が変わってしまうのである。その結果、偏波モード分散 ( Polarization Mode Dispersion : PMD ) や偏波依存性を持つデバイス(例えば変調器など)との接続の不具合といった好ましくない影響がでてくる。そこで開発されたのが偏波保持ファイバー( Polarization Maintaining Fiber : PMF )である。このファイバーは複屈折ファイバーとも呼ばれ、複屈折のランダムな揺らぎが光の偏光を大きく変えないように、デザインを工夫して意図的に大きな複屈折を持つように設計されている。

光ファイバーに複屈折を誘起する方法として、コアに非軸対称な応力を加えるものが挙げられる。このような光ファイバーを応力付与型PMF と呼び、図1のように様々なタイプがある。それぞれの光ファイバーはPANDAファイバー ( Polarization-maintaining AND Absorption-reducing : PANDA ) [1]、楕円ジャケットファイバー ( Elliptical Jacket ) [2-4]やボウタイ ( Bow-tie ) ファイバー[5-7] と呼ばれている。この他にも、Elliptical core fiber ( E-fiber )、Elliptical core D-fiber ( D-fiber ) があるがこれらはセンサ用途に用いられている。それぞれのPMFの詳細については別途解説する。

各種偏波保持ファイバーの断面

図1:各種偏波保持ファイバーの断面(a)PANDA,(b) ボウタイ型(Bow-tie), (c) 楕円ジャケット型(Elliptical Jacket)

応力付与型PMFはコアがほぼ円形であるのに対し、構造型のPMFにはコアの形状を非軸対称にした楕円コアファイバー[8]等がある。様々な構造のPMF が提案されてきたが、NTTの茨城通信研究所で開発されたPANDA ファイバーは偏波クロストーク特性に優れていることに加え比較的低損失であるため、偏波保持ファイバーの主流となっている。

高速軸と低速軸

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