PCF を取り扱う上で注意しておきたいことを述べる。PCF の端面が解放状態の場合、水分を含んだ空気がエアホール内に潜入し、伝送損失が増大したり、伝送損失に温度依存性が顕示化されたり、ファイバー端面が汚染されたりする。また、端面損傷も起こりやすくなる。例えばフェムト秒パルスレーザーの場合、ピーク強度が高いため小口径コア部分に端面損傷が生じやすい。

それらを防ぐために、PCF の端面シーリングが行われている。ファイバー端面を加熱処理して空気穴を塞ぐことで、水分を含んだ空気が潜入しないようにする。更に端面でのスポットサイズ (MFD) や NA を拡大することで、ファイバー端面の損傷閾値を高くしている。そうするとコネクタ付けや研磨、コーティングが可能になる。

PCF の融着接続

PCF から射出される光を検出したり計測する場合、あるいは他の光源に接続したり全ファイバー型の光源を構築する場合には、PCF を通常の光ファイバーに低損失で融着接続させる必要がある。しかし PCF は空孔 (エアホール) の部分が多く、低損失で融着接続をさせることは難しい。融着接続する際に融着接続機におけるアーク放電によりエアホールが潰れてしまうため、コア内に光を閉じ込めることができず、融着接続部で PCF を伝搬してきた光が漏れてしまい損失が大きくなる。また、クラッド部の屈折率差から大きなフレネル反射が生じてしまう。

解決手段としては、まず PCF と同一の MFD の光ファイバーを接続することが挙げられる。MFD が20μmの PCF に MFD が6μmのシングルモードファイバーを融着接続させようとしても、光が外部に漏れてしまい損失が大きくなってしまう。そのため、ピグテールファイバーやブリッジファイバーなどがモード整合のために用いられている。

 

 

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