小型軽量

光ファイバーは巻くことができるため小型軽量化が可能である。 またレーザーヘッドを小さくできるためフレキシブルなシステムアップも可能である。これにより装置導入費用を安く抑えることができ、配置場所を柔軟に決定することができる。

メンテナンスが不要

バルク型固体レーザーでは高出力化に伴い、熱レンズ効果や熱複屈折効果といった熱効果が顕著となるため、ビーム品質が大幅に低下する。そのためバルク型固体レーザーを開発する場合は冷却方法を慎重に設計しなければいけない。一方、ファイバーレーザーの冷却方法は 100W 程度までは空冷でよい。これはレーザー媒質である光ファイバの [表面積/体積] 比がバルク型固体レーザーのロッド型媒質に比べ 4 桁以上大く、放熱性に優れているためである。図 1にロッド型固体レーザー、ディスクレーザー、ファイバーレーザーの熱の放射性の概念図を示す。

chapter1-27

図:(a) ロッド型固体レーザー、(b) ディスクレーザー、(c) ファイバーレーザーの放熱性


優れたビーム品質

光ファイバーから出射されるレーザーは NA が小さいため集光しやすい。これにより出力の高パワー密度化が達成され、高分解能な加工が可能となる。また、マーキング装置に実装する際に、小さなガルバノミラーを使用できるので、装置全体の低価格化・高速化が可能となる。シングルモードファイバーを構成内に入れることで、ほぼ完全に横モードの単一化が可能になる。

優れた長期安定性

レーザーは光ファイバーから射出されるため、ファイ バーを固定していればビームの空間的な揺らぎはほとんどない。自由空間光学系を含まない全ファイバー型ファイバーレーザーでは空間光学素子がないため、 塵埃付着や周囲環境による熱的・機械的影響も受けにくい。また、レーザー加工応用で最も普及している CO2 レーザーと比較した場合、長所・短所はあるが、 ファイバーレーザーは発振波長が短くビーム品質が優れており焦点深度が長いため、集光用レンズを物体から離した加工が可能である。

広利得幅・高利得・高効率

ファイバーレーザーの利得媒質としてよく用いられている希土類添加シリカガラスファイバーは、複雑な結晶場の影響を受けて微細構造のない幅広い準位を示すため、YAG 結晶に比べて広帯域な光増幅が可能である。また、光ファイバでは単位長さあたりの利得が小さくても相互作用長が長いため十分な総合利得が得られる。更にファイバー中に励起光を閉じ込めることができるため高効率励起が可能 (光-光変換効率:~70 %、電気-光変換効率: ~30 %) となる。

高出力化が容易

モジュールの直列あるいは並列接続により、比較的容易に 出力を増加させることができる。50kW 級の超高出力 CW ファイバーレーザー (コア径 100 μm のファイバー伝送) も既に実用化されている。

長距離伝搬が可能

ファイバーレーザーから射出されるレーザー光は、伝送用ファイバに高効率で結合できる。伝送用ファイバを用いることで、レーザー本体と離れた位置にある対象物への加工が可能になる。

非線形光学効果が発生しやすい

光ファイバーは小さなコア径で相互作用長が長く、非線形光学効果が発生しやすいため、高強度のパルス動作には不向きで、レーザーの性能を制限することがある。しかし、この特徴を利用して新規性の高い研究も盛んに行われている。