導波路分散がコアの半径やコアとクラッドの屈折率差∆などのパラメータに依存する性質を利用して、ゼロ分散波長λDや分散スロープ(分散の傾き)を制御することができる。図1は、このように分散特性を変化させたファイバーの分散特性を示している。図中には分散シフトファイバー(DSF)、ノンゼロ分散シフトファイバー(NZ-DSF)、分散フラットファイバー(DFF)の分散特性を示す。いずれもシングルモードファイバーである。

図1:分散シフトファイバー(DSF)、ノンゼロ分散シフトファイバー(NZ-DSF)、分散フラットファイバー(DFF)の全分散特性
(1)分散シフトファイバー
ゼロ分散波長λDを光ファイバー損失が最小になる1.55μm付近(光通信の波長帯)に移した光ファイバーをファイバーを分散シフトファイバー(Dispersion Shifted Fiber:DSF)[1]、[2]と呼ぶ。分散シフトシングルモードファイバーは長距離伝送に適している[3]。
(2)ノンゼロ分散シフトファイバー
ノンゼロ分散シフトファイバー(Nonzero Dispersion-Shifted Fiber:NZ-DSF)は、ゼロ分散波長を1550nm帯(使用波長帯)から少しずらすことにより、1550nm帯(使用波長帯)で四光波混合、自己位相変調、相互位相変調などの非線形光学現象を抑制した光ファイバーである。よって、NZ-DSFはエルビウム添加光ファイバー増幅器(EDFA)を使用した波長分割多重(Wavelength Division Multiplexing:WDM)に有効であり、超高速の長距離伝送に適している[3]。また、波長分散による信号波形の劣化抑制のため、波長分散値は通常のファイバーよりも小さな値に設定されている。
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