エキシマレーザーや色素レーザーのようにレーザー上準位寿命が短く飽和フルーエンスの小さなレーザーでは、ピーク出力エネルギーは低く、自己収束などの非線形光学効果は起きにくい。しかし、固体レーザーのように飽和フルーエンスの大きなレーザーでは、パルスエネルギーを増加していくと光学媒質の破壊(光学的破壊閾値強度:約10 GW/cm2) によりパルスのピーク出力が制限される。そこで開発されたのがチャープを制御しながら増幅させるチャープパルス増幅(CPA:Chirped Pulse Amplification)である。CPAはレーザーピーク出力を飛躍的に向上させた。ペタワット(PW:1015 W) 級の超高強度ピーク出力レーザーシステムは、CPAに基づいた構成となっている。CPAはパラメトリック増幅器にも適用でき,これを光パラメトリックチャープパルス増幅(OPCA:Optical Parametric Chirped-pulse Amplification:OPCPA)と呼ぶ。
CPAシステムの構成
CPAシステムの構成を図1に示し、順に説明する。
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