著者:住村 和彦(J-GLOBAL:200901089794489130


OptiVideo配信:各種レーザー−ファイバーレーザーの特徴(動画サムネイル)
OptiVideo 配信 【レーザー基礎】5.各種レーザー ファイバーレーザーの特徴

ファイバーレーザー とは

ファイバーレーザーは希土類添加ファイバーを利得媒質に用いるレーザーです。固体レーザーの一種ですが、媒質形状が異なるため、Nd:YAGなどのバルク型固体レーザーとは区別されます。CW発振は高出力で切断・溶接に、パルス発振は低出力で微細加工やマーキングに用いられます。
図1は基本構成図です。図1(a)は利得媒質のみをファイバー化した空間結合のファブリ・ペロー型、図1(b)はミラーをFBGに置き換えた全ファイバー型、図1(c)は全ファイバーのリング型構成です。従来のバルク型に比べ、インライン素子で構成でき素子数を削減でき、調整も簡便になります。

図1:ファイバーレーザーの基本構成。(a) ファブリ・ペロー型共振器(空間結合型)、(b) ファブリ・ペロー型共振器(全ファイバー型)、(c) リング型共振器(全ファイバー型)

実用化は光通信帯(1.5 μm)のEr添加ファイバーレーザーが先行しました。1985年にMCVD法で低損失SMFが確立し、1987年に1.54 μm帯の低雑音EDFAが開発されたことで、光信号を直接増幅可能となり、通信市場の拡大とともに研究開発が加速しました。
産業応用向けの高出力化ではNd添加ファイバーが先行し、1988年にクラッド励起の登場でCW出力が飛躍。1999年にCW 100 W、2002年に1 kWを達成しました。現在は特性に優れるYb添加ファイバーが主流で、2005年にCW 2 kW、2008年に6 kW、2009年に10 kW(市販は2 kW)、マルチモードで50 kWが報告されています。

図2:Yb添加シングルモードファイバーレーザーのCW出力の時系列推移
図2:Yb 添加シングルモードファイバーレーザーの CW 出力の時系列

優れたビーム品質により、切断加工・マーキング・リモート溶接などで他方式からの置換が進んでいます。また、2 μm帯のTm添加ファイバーはアイセーフで医療や特殊加工への応用が検討されています。超短パルス領域では25 fsのファイバーレーザーも登場し、小型・安定性からチタンサファイアの代替として期待されています。

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