フォトダイオードは、光信号を電気信号へ変換(E/O変換)する受光素子であり、露出計や照度計、カメラの受光器(CCD、 CMOS)など身の回りの様々な場面で用いられている。基本的な構造は半導体のPN接合(ダイオード)であり、光を電流に変換して用いる(図1)。
図1 フォトダイオードの基本的な構造
物質は光と相互作用することで、光のエネルギー(光子)を吸収して電気のエネルギー(電子)として放出することができる。これを光電効果と呼ぶ。半導体において光電効果が起こると、光起電力効果と呼ばれる、接合部に電位差が生じる現象が生じる。フォトダイオードはこれらの効果を利用して光の検出を行う。
図2にPN接合部において光が検出される様子を示す。入射光のエネルギーが半導体のバンドギャップエネルギーよりも大きいと、半導体結晶中の電子が励起され、価電子帯から伝導帯へと引き上げられる。この時、電子がもともと居た位置に正の電荷(正孔)が生じる。これら電子と正孔は、両層の間の電位差によってそれぞれN層、P層へと移動する。この結果電流が生じ、フォトダイオードにアンプなどの外部回路を接続することで電流信号として取り出すことができ、光の検出が可能となる。空乏層、N層、P層のいずれにおいても電子と正孔の生成は行われる。
図2 PN接合部において光が検出される様子
理想的には、光子1つにたいして、1対の電子正孔対が生成されるが、一般的には光子より電子正孔対が少ない。入射光子数に対し、電子正孔対数の比率を量子効率という。
フォトダイオードに使われる材料には、量子効率の波長依存性があるため、波長ごとに材料を選ぶ必要がある。近赤外域では、インジウム・ガリウム・ヒ素(InGaAs)が適している。
一般的にはフォトダイオードへ数Vの逆バイアスをかけることで、光信号から電気信号への変換効率を上げている。
pinフォトダイオード
量子効率と応答速度を上げるためには、電子と正孔がない空乏層を広げる必要がある。n型領域とp型領域の間に真性半導体層をつくることで、空乏層が広がる。この構造をもつフォトダイオードをpinフォトダイオードという。
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