レーザーの波長域を紫外から赤外まで拡大できる波長変換デバイスとして、非線形光学結晶が挙げられる。非線形光学結晶を用いて、レーザー光の波長(周波数)を変換して得られる光波は、レーザー光と同様のコヒーレンスを有する。波長を変換するためには、結晶の複屈折性を利用した位相整合が必要になる。ここで、和周波発生(Sum Frequency Generation:SFG)の場合の位相整合を考える。SFGは波長の異なる2つの光から全く異なる波長の光に変換する手法である。光のエネルギー保存則から3つの波長の関係は次式で示される。

それぞれの波長の屈折率をn1、n2、n3として波数k=2πn/λを用いると、上式は光の運動量保存則から次式で表される。

これがSFGにおける位相整合条件となる。ここで、結晶の屈折率nの特性(吸収波長、分散、複屈折)が重要となる。屈折率の分散は、屈折率の波長依存性を示し、近似式はセルマイヤーの分散式として示される。入射光λ1、λ2の偏光が平行な場合をタイプI、直交する場合をタイプIIと呼ぶ。屈折率の異方性と分散及び、エネルギー保存則と運動量保存則を用いることで、位相整合条件が求まる[1]。

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