光の速度は1676年にレーマーによって世界ではじめて測定されてからも、100人以上の科学者が様々な技術を用いて実験的に求めることに挑戦してきたといわれている。1849年にその試みを成功させ、レーマーの計算よりも良い速度で光速をとらえたのがフィゾーである。

アルマン・フィゾー

アルマン・フィゾーはフランスの物理学者である。医師の家庭に生まれ、多大な研究資金を潤沢な私財からまかなえるほど豊かな環境で育ったとされる。光の速度はフィゾー以前には天文学的なアプローチで計算されていたが、はじめて地上で光速の測定に成功したのはフィゾーであった。

アルマン・フィゾー

フィゾーは歯車を高速回転させることで光の速さを測定した。高速回転させた歯車の歯と歯の間を光が通るようにし、遠方に設置された鏡に光を反射させる。光が反射して戻ってくるまでの距離、すなわち鏡までの距離が十分遠ければ、光が次の歯と歯の間を通過できずに、歯に遮られてしまう。遮られたときの歯車の回転数と歯の数、鏡までの距離から計算された光の速度は3.13*10^8m/sであった。

アルマン・フィゾー

光速の測定に成功した後にもフィゾーは様々な光の性質を発見しており、ロンドンの英国学士院からメダルを贈呈されている。この後にも光の速度は様々な方法で測定されるが、その模範となる実験系を考案したフィゾーの功績は大きいといえるだろう。

無料ユーザー登録

続きを読むにはユーザー登録が必要です。
登録することで3000以上ある記事全てを無料でご覧頂けます。
ログインパスワードをメールにてお送りします。 間違ったメールアドレスで登録された場合は、改めてご登録していただくかお問い合わせフォームよりお問い合わせください。

既存ユーザのログイン
   
新規ユーザー登録
*必須項目