真空中を伝搬する光は散乱を受けない。1.7 x 105光年離れた星の爆発を観察したとすると、その閃光は170,000年に渡る旅を経て地球に到達したのである。光子は永遠のものである。

真空中に僅かの空気(窒素分子や酸素分子・等)がある場合を考える。いずれの分子も可視光に対しては共振しないため、光を吸収して励起状態になることはない。光子によって基底状態電子は振動状態となり、直後に同一周波数の光子を放出する。即ち、入射光子は弾性散乱される。分子の配向はランダムであり、従って、散乱光子はあらゆる方向に放出される。光が弱くとも光子数は膨大である。全方位に放出される光子は、古典的には球面波とみなせる(図1)。

Hecht Figure4.2

 

図1 入射平面波の単一原子による散乱

左から入射した平面波が1個の原子を横切り、球面散乱波が発生する。1秒間に何億もの光子があらゆる方向に流れ出る。

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