電磁波の進む方向をZ軸で取ったとき、電場がX軸方向だけに、磁場はY軸方向のみに振動しているといったように、一つの方向にしか振動していない光は、「偏光」とよばれる。一方、太陽光や蛍光灯の光など、通常の光は、様々な振動方向の光が均等に混ざっている。通常の光も「偏光板」に通すと偏光する。偏光板とは、透過させる光の振動方向が決まっている工学材料で、透過させる光の振動方向が直行するように2枚の偏光板を重ねると、すべての光が遮断される。光が金属以外の物体の表面で反射するとき、反射光は、反射面に平行に振動する偏光がほとんどになる。釣りやスキーに使われる「偏光サングラス」は、偏光板を使ってこの反射光だけをカットする。これは、水面や雪面からの反射光をカットするが、それに直行する振動方向の光はとおすため、水面下の魚などは見ることができる構造になっている。

水面で反射した光が偏光する仕組みは、次のようなものである。水の分子の中の電子は、入射してきた光を吸収すると、その振動方向にゆすられる。そして、自らの振動方向と同じ方向に振動する光を再放出する。振動する分子は横方向には多くの光を放出するが、縦方向には放出しない。電磁波は、振動方向に対して横方向に多く発生する。水面の方向に振動する電子は、反射方向に光を放出できるが、縦方向に振動する電子は、放射方向には放出できないために、反射光は、水面方向に振動する光がほとんどになる。

偏光レンズによる見え方の違い

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