この結晶はGadolinium Scandium Gallium Garnet(Gd3Sc2Ga3O12)と称され、CrとNdの供添加が可能で多くの研究が行われていた。これはCrイオンによって吸収されたエネルギーをNdイオンに遷移させるもので、高効率動作が期待できる。実際、フラッシュランプ励起を行うと5%以上の効率が得られる。ガーネット系結晶は構造の8面体の位置にイオン半径の大きいScイオンを配位することで、格子定数を大きくすることができ、活性イオンの偏析係数も同様に大きくできる。このため、高品質を維持しつつ高速育成が可能で、高出力レーザー用の結晶として注目されている。熱的性質では高い熱伝導率を持つが、大きな dn/dTを持っているのでYAGに比べて6倍程の熱レンズ効果が生じる。また、熱による複屈折効果もYAGよりも大きい。その他の特徴として、波長可変レーザーとしても動作可能である。

参考

岡田大「液体冷却型大口径YAGスプリットディスク増幅器の開発に関する研究」、博士論文、大阪大学大学院 (2007)

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