刊行にあたって

 レーザーの発明以来46年を経たが、レーザーに関する科学と技術の進展はとどまるところを知らない。これはレーザーがサイエンスに概念的にも新しい手法を提供し、また基盤技術として真に革新的であるからである。最近では、超短パルス化、波形制御などが進み、究極の光を実現する技術が見えてくる一方、値段が安く使いやすい数多くのレーザーが市販されてきている。その結果、理学、工学の諸分野は言うにおよばず、宇宙、産業、医療、農業などありとあらゆる領域でレーザーを使った技術が導入され活躍している。このような状況の下、レーザープロセシング技術は日々進歩し、この技術を活用している工場、開発現場、研究室から、この技術の基礎と最近の進歩を要領よくまとめた便覧がほしいという声が非常に高まってきた。この種の出版に関しては、本書の前身とも言うべきレーザー学会編「レーザープロセシング」が、山中千代衛教授を顧問に、難波進教授を編集委員長にて日経技術図書出版から刊行されているが、すでに16年を経ている。したがって、日進月歩のレーザープロセシング技術の基本的な部分と、最前線の部を含め、重要な事項を力バーして解説し、この技術の開発と応用に携わる研究者技術者に役立つようまとめることは急務と考えられた。本書は、このような要請に答えるために、各方面の研究者、それぞれの専門家の研究者、技術者が実際の経験をもとに書き下ろしたもので、他に例を見ない実際的な便覧である。レーザーの前に本書を一冊置くことで、工夫が進み、アイデアが湧き、問題が解けていくことと期待している。

レーザー学会編
「レーザープロセシング応用便覧」
編集委員長大阪大学工学研究科 増原 宏