宇宙光通信(space optical commllnications)とは

レーザーが発明されて以来,このコヒーレントな光を利用した高速大容量の空間通信の実現が期待されたが,地上空間では光伝搬が天候条件に左右され,さらに大気シンチレーションほかの影響により,ビル間などの短距離通信,室内光通信など限られた応用でしか実用されていない.地上では光ファイバ通信技術がめまぐるしく伸びている一方,大気の影響がない宇宙空間で,小型軽量の装置で高速大容量通信が可能であるという光の特徴を生かした宇宙光通信技術の展開が,将来の高度情報化社会および宇宙開発のために期待されている.ただし,宇宙機に搭載する光通信機器の通信機能の目度化と宇宙機器に本来要求される小型軽量化,省電力化,高信頼性化などとはトレードオフの関係にあり,実用化を図るには応用システム概念を明確にし,宇宙利用化に向けた要紫技術の研究開発を進めることが重要である.