相変化(phase-change)とは

一般には物質が温度や圧力などの外部条件に応じてその状態(相)を変化することを意味し,相変態(phase-transition)ともいう.メモリ分野では,物質の相変化に伴う光学的変化,電気抵抗変化を用いたメモリメカニズム,とりわけ光メモリメカニズムのことを示すことが多い.TeやSeをベースとするカルコゲナイド薄膜などに,レーザー光のような高エネルギービームを用いて局所的に大きなエネルギーを集中すると,微小部分の原子配列を秩序の高い状態(ordered state)と秩序の低い状態(disordered state)の間で可逆的に変化させることができるが,この際,状態変化に伴う反射率変化を検出することで高密度メモリとして利用することができる.代表的組成としてGe-Sb-Te系やAg-In-Sb-Te系が知られており,数十ns の短い時間で結晶層-アモルファス相間の相変化を生じることが確かめられている.これまでにPD,CD-RW,DVD-RAM など,さまざまな光ディスク製品に応用されている.