3次元的な微細修飾(3D micro-modification)とは

材料のバンドギャンプ以上のエネルギーを持つ紫外線,X線などの電磁波で材料を照射すると,材料の表面近傍で吸収されるため,材料内部への空間選択的な改質をおこなうことは不可能である.また材料のフォノンの振動と共鳴遷移による吸収を利用する場合も同じである.一方,フェムト秒レーザーなどの超短パルスレーザーはパルス幅が狭く,レンズで集光すると容易に1 TW/cm2以上の強度が得られ,3×107 V/cm以上の電界を局所的に材料内部に印加することが可能であリ,多光子吸収,多光子イオン化などの非線形化学反応を誘起することで,3次元的な微細改質をおこなうことが可能である.このような3次元的な微細修飾を利用し,超高密度光メモリの構築,フォトニック結晶の作製,光集積回路への応用が現在盛んに検討されている.