レーザートモグラフィー(laser tomography)とは

生体の断層像(tomography)を得る方法として,超行法エコー法や,コンピューターの高速計算を利用するX線CT(computed tomography),MRI(magnetic resonance imaging)などが実用化され,画像診断に成果をあげている.最近,レーザーを用いて断層像を得ようとする研究開発が,機能計測の可能なより安全な計測法という期待のもとに,各国で精力的に展開されている.超音波エコー法に対応するものとして,SLD(super luminescent diode)のような低コヒーレント光源をマイケルソン干渉計に用い,生体内からの反射光を参照光と干渉させ,その光路差がゼロになったときだけ信号が得られる.という原理により間像化する方式が開発されている.X線CTに対応するものは,生体を透過した光の吸収減衰を求め,投影定理に基づき画像化する光CTとして,各種の方式が提案されている.生体強い散乱体なので,散乱の影響を除去する必要があり,(1) 光源として超短パルスレーザーを用い,多重散乱により時間的に拡がった透過光に時間ゲートを設けて直進光に近い成分を選別する.(2) 光ヘテロダイン検出法を用い,光源のレーザーのもつコヒーレントを保存している直進光に近い成分だけが検出するなどが基本方式である.さらに超短パルス光透過時の散乱成分も勘案したアルゴリズムの提案や,まったく新しい概念に基づくアルゴリズムの提案なども継続されている.→コヒーレント光源