レーザージャイロ(laser gyro)とは

閉じた光路を左右逆回リに伝搬する2光波の間には,この光路が慣性空間に対して回転した際,回転角速度に比例した伝搬時間差が現れる.このSagnac効果を用いて構成されるジャイロを,光ジャイロあるいはレーザジャイロと呼ぶ.レーザージャイロとして最初に実現されたのは,3枚の鏡で作られた三角形の共振器を持つHe-Neレーザーによるリングレーザージャイロであるこのレーザーでは,左右両回りの二つの発振光が同時に得られ,その周波数の差として回転が検出される.しかし,微小回転時にはこの先様周波数長がゼロになってしまう.ロックイン現象が生じ,これを回避するためにジャイロ系をつねに回転振動させている.続いて考案された光ジャイロは,干渉方式光ファイバジャイロである.このジャイロではロックイン現象は起きないので,完全静止型の純光学的ジャイロとなっている.光ファイバジャイロには,共振方式やブリュアン方式といった特徴ある別の構成法も研究されている.このほか,導波路中に光リング干渉計あるいは光リング共振器を作り,モノリシック集積化した光ジャイロ構成も研究されている.