レーザー光脱離(laser desorption)とは

固体表面に光が入射することによって,表面から粒子が放出(脱離)される現象をいう放出粒子には中性粒子はもちろん,イオンも含まれる光源にレーザーを用いた場合を,特にレーザー光脱離という.粒子の放出は光の強度が10 mW/cm2程度でも起こるので,放出が光照射による表面温度上昇によるものとは考えられず,光子による脱離現象すなわち光解離によるものと考えられる.レーザー光照射による固体表面からの粒子放出に,激しくこのほかにレーザーアブレーションがあるが,アブレーションの場合は放出が非常に激しく起こり,通常プラズマが観察される.一方,レーザー光脱離ではプルームの形成は起こらず,放出粒子数もアブレーションにくらべて極端に少なく,単一粒子のみが放出されることもある.