可視発光するシリコンナノ微粒子(visible photoluminescence of Si nanoparticles)

シリコンは現在重要なLSI材料である．これに発光紫子を組み込むことができれば，新たなブレークスルーとなると期待できる．そもそも，バルクの結晶シリコンは，バンドギャップが1.1 eVの間接選移型であるので，近赤外で非常に微弱な発光を示すだけである．そこで，さまざまな発光材料および発光構造が模索されている．実はシリコンは，数nmの大きさにすると，可視域で同効率で発光するようになる．狭い空間の中に電子と正孔が閉じ込められるため，バンドギャップが広がり，さらには電子と正孔の相互作用が強くなる結果である．発光の起源は十分には明らかになっていないが，それは一つには構造が制御されたナノ微粒子を作製する手法が確立されていないからである．レーザーアブレーンヨンを用いたナノ微粒子生成手法は，比較的クリーンで制御性があるので，今後の研究が期待される．→金属酸化物ナノ微粒子，超微粒子，ナノ微粒子の合成